あの二人が付き合いだしたと、
最近黒木が五月蝿く騒ぐもんだから。
そんなこと知ってるよ、っていうかおせぇなお前の情報網はと、言ってやった。
そうするとひどくつまらなさそうに、それでも驚いた顔で、何だよ十文字、お前知ってたのかよ!!?
とこれまた五月蝿く騒ぎ出す。
知ってたさ。当たり前だろ。
気づかねぇ訳がねぇだろうが。
あの女の、あいつを見る目と。
あの男の、あの女への距離のとり方で。
ああそうか、こいつらもうそういう仲かって。
嫌でも気づかなきゃいけなくなったんだよ。
まだしゃべり足らない黒木は標的を漫画に夢中な戸叶へと移して
なぁトガ、お前知ってたかよ!?と同じ文句を繰り返した。
それをしばらく眺めてから、窓の外へと視線を移した。
まっさらな空が、雲ひとつない空が、どうにも笑えてしまう。
くだらねぇなと自嘲の声を吐き出して、視線を地上へと下げる。
そこにいたのは
今まさに自分の頭の中を支配していた二人で。
見慣れない、感じ慣れない、甘ったるい空気を
地上からこの三階にまで運び込んでいた。
あの悪魔と。
あの聖母と。
水と油のような二人が。
今は一緒に溶け込んで、ひとつの物になってしまったかのように。
悪魔はその凶暴で凶悪な罪の手を
聖母の清らかな穢れのない髪へと通し。
聖母はその潔癖すぎる罪の手を
悪魔の背へと重ね合わせる。
その光景に、息を呑み固まって身動きが取れなくなった時。
悪魔と目があった。
その瞳には
絶対の自信と
肉食獣に似た光と
愛という言葉などではない、底知れぬ感情がうかんでいた。
瞬間、目を背け、顔を背け、平穏無事ないつもの教室へと無理やり帰ってきた。
あんな目、長時間見続けるなんて無理がある。
どくどくと五月蝿く鳴る鼓動を無視して、不愉快な感覚に眉を寄せる。
ああくそ。あんな奴に。
あんな怪物に。
どうやって勝てっていうんだよ。
もし神様って奴が本当にいるのなら。
きっとそいつもあいつの奴隷に違いない。
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十文字君好きです。でも三兄弟の中で一番戸叶が好きです。(聞いてない
きっと彼は苦難の人でしょうね。
本編では長男だからしっかり締めてくれてくれていて、良い男です。
多分来年のヒル魔さんみたいな頭脳戦のポジションは彼だと思います。