いつもの練習の帰り、夜になれば幾分ましだろうと思った暑さは
そんな僕らを嘲笑うように「熱帯夜」というものへと姿をかえた。

「やー、今日もあっついねー。」

片手にSONSONで買った100円のアイスを、片手に小さなうちわを持ちながら
隣を歩く鈴音がぼやいた。
モン太とわかれた後、こうやって彼女を家まで送るのはもう僕の日課となっている。
最初、彼女は送り届けると言う僕に悪いから、と言って頑なに首を縦に振らなかったが
夜遅くに女の子一人じゃ危ないとまもり姉ちゃんが言ってくれたことでこういうことになった。
ソフトクリームを舐めながら、不愉快そうに鈴音は
むすっとした顔で不満を漏らす。
「ちょっとは涼しくなってくれてもいいのに、ねー?」
覗き込まれるように瞳をあわせられ、思わず身が後ろに引いてしまう。
そ、そだね、と軽く笑って答えると満足したように微笑まれる。
女の子とこんなに至近距離で会話なんてしたことが無いものだから、未だにどうしたらよいかと困ることがある。
少し先を歩く鈴音の背中を見つめて、ドキドキ鳴るそこに落ち着けと言い聞かせる。





「ねぇ、セナ!見て見て!空綺麗!」





はっと我に返ると、鈴音は楽しそうに空を指差して笑っていた。
その指の先を追っていくときらきらと光る星が、いた。

「う、わぁ・・・。」

今まで、あまりお目にかかっていない星の大群に呑まれ、棒立ちになる。
手を伸ばそうものなら光り輝く星たちに貫かれるのではないかを思うような、たくさんの星。
都会とは言えないが、こんな街中でこれだけたくさんの星が見れるなんて思ってもみなかったから。
ただ口をポカンと開けて、広い広い空中を見つめるしかなかった。
本当に、すごい数で。
これが星空と言うものなんだと、改めて気づいたような気さえした。
そうやって、ポカンとだらしなく口を開けっ放しにしていた僕の頬に、冷たい何かが触れた。
「うわっ!?」
驚いて声を上げると、悪戯に微笑む鈴音が目の前にいた。
触れたのが、鈴音の手だと気づいて、ほっと胸を撫で下ろす。
「あー、もぉ、びっくりした・・・。驚かさないでよ。」
ほーっと息を吐きながら笑うと、彼女も楽しそうに声を上げた。
「だってセナ、ぽかんって間抜けな顔になってたんだもーん。」
そう言って鈴音は、あははとヒマワリのように笑った。












その笑顔が





何の濁りも汚れもないまっさらなその笑顔が









































僕には、輝いている空の星のように、見えた。

























「セナ?セーナっ!ねぇ、大丈夫?」
パタパタと僕の顔の前で手を振る鈴音の心配そうな声が耳から伝わって、
照れくさいことを考えていたと、急に顔が火照った。
じっと見つめてくる鈴音のまっすぐな瞳から逃げるように、
下を向いて温まった顔と心を冷やす。
その間も心配そうに声をかけてくる彼女に、無理やり落ち着かせた自分の胸に手を置いて
顔を上げて、言った。

「なんでもないよ、ありがとう。さ、遅くならないうちに帰ろう。」

笑顔で言った僕の言葉に、少しの心配と少しの安心感をのせて、彼女もうなずいた。

「うん、帰ろう!」





今日僕が思ったことを


君に言うにはまだ、僕は幼すぎて。


だけどいつかまた、同じように空を眺めることができたなら。


その時は、今のこの気持ちを。


君の笑顔が好きだという気持ちを。




































君に。

















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            セナと鈴音です。セナ鈴にならなかった・・・!(きぃっ
            好きです、この二人も。初々しくて可愛いですよ、ねvv
            セナが鈴音のこと本当に好きだーって自覚するお話が書きたかったんですが
            ・・・・難しいですね!(泣笑
            この二人はどうしても恋人未満友達以上でしか書けない・・・(汗