あら、何かしら?
足元で光るソレを、そっと拾う。
拾い上げたのは小さな小さな硝子の破片。

綺麗・・・

と一人で小さな感動に浸ってから、それをエプロンのポケットへ。
と、突然、後ろから雷のような音と共に扉が開いた。
入ってきた悪魔は、無性に苛立っているようだったので
とりあえずは黙って床を掃く。あまりこういうヒル魔君はかまわない方がいいから。
そう思っている私のことなんかお構いなしに、彼の長い指が私の後ろ髪を捕らえる。

「ちょっ、痛いっ!痛いわヒル魔君!!」

放してっ、と抗議の声を上げると
ヒル魔君は何のこともなしに力を加えてくる。
頭に血が上る。かっと顔が火照る。

悔しい。

悔しい悔しい悔しい。


なんて無神経な人。


涙が出てきそうで下唇を強く噛んだ。泣くものか。泣いてたまるか。
キッと、できる限り強く見上げてみると、とても面白そうに笑った。

私は貴方の暇つぶしの道具じゃないわ!

噛みつくように睨む。野性的だわ、まるで。
そうすると初めて、ヒル魔君が口を開いた。

「今日、家に来い。」




悪魔の、悪魔のような囁きに。


私は切りつけられてしぼんだ心臓が。


ドクン、ドクンと動き出すのを感じた。


嗚呼まるで、












綺麗な硝子の破片だわ・・・―――――――。







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            ヒル魔より一歩先に進みたいのに
            いつも二歩三歩先に行かれて悔しいまもり。